フランス奮闘記録

私の大半は過去の仕事でできている

前回総合商社をやめることにした経緯を書いたけど、当たり前のことにふと気がついたのでアップします。

 

社会人になってから私が手にした経験全ては会社というプラットフォームに乗っていたから得られたものばかり。それはつまり私が自分の力で獲得できるであろうものを大きくベースアップしてくれたということです。

 

仕事を通じて得た業務知識、人脈。そして稼いだお金。そのお金で衣食住を最低限以上のものにして日々楽しみ、余暇は行きたいところへ好きなように行って、旅行を楽しむ。その土地で感じたことや思いは今の私に全て繋がっている。

 

では会社に入っていなかったら?色んな道があったかもしれないけれど、間違いなく20代で自分の力だけではここまで多彩な経験積めなかったと感じる。

 

今の私がいいのか悪いのか、それはわからない。会社にどっぷりで経費感覚が鈍っている上に、どんな結果を出しても毎月振り込まれるお給料を見て、何か大事なもの失っていた。会社勤めしていなければもっと自分で切り開いた自由な人生が待っていたかもしれない。

 

でも一人で裁判戦えましたか。知的財産を侵害される経験をしたことはありますか。海外の狡猾な取引先と対峙できましたか。新しいビジネススキームを一人で立ち上げられましたか。交渉の失敗や成功をどれだけの数こなす機会がありましたか。半年も語学留学している時間はありましたか。数千万円の予算をつけたプロジェクトを一人で回せましたか。会社の名前がなくても周りの人はあなたの声に耳を傾けてくれますか。

 

でも今はこの機会の全てがなくなった。でもその時の経験や人脈は会社の外でサバイバルするのに大いに役立っている。同じような経験や人脈の広がりは無いかもしれないけど、今までの違う方向に自分の手足が伸びているのがよくわかる。経験の役立て方も、手足の伸ばし方も教えてくれたのは間違いなく前職。一緒に働いた上司、客先、会社。あらゆることに本当に感謝。

 

この有り難みは、悲しいことに会社と距離を置かないと見えないことも事実。

 

今まではの私は仕事で自分が形成されていたけど、3年前からは子育ても絡まってきた。仕事と子育てと交差しながら、自分がどんどん布になっていく感じがする。子供はいつかいなくなる。私は常に残る。子育ては仕事よりも大変だと思う。でも仕事は自分の価値を客観的に認めてくれるからこそ、どちらも頑張ってみることで得るものは大きのでは無いかと感じるのです。