フランス奮闘記録

日本人であることの強さ

先日、語学学校の終了証書をもらいそびれたので、

預かってもらう約束をしていたクラスメイトと会った。

 

なんとなくお互い今後の話になった。

彼女はハンガリー出身。ハンガリー、イギリスで高級ブティックの販売員をしていて

イギリスで出会った彼氏がフランス人だったためフランスに移住。

英語がとても流暢で、空いた時間に英語でベビーシッティングしながら

学校に通っていた。

 

歳は私と同じくらい。

 

私が「9月からの新しいクラス申し込む?」と聞いたところ

「仕事本気で探しているからわからない。」ということ。

正直彼女は私から見ても羨ましいほどのフランス語上達力で、

初めて会った頃は英語で会話していたのに、今ではお互いフランス語。

しかも彼女うま過ぎて私がフランス語使うのに緊張する有様。

「ここで辞めるのもったいなんじゃない。」

とかお節介なこと聞いたのだけれど、

どうやら仕事探しがかなりの優先事項らしい。

彼とPACSを組むか結婚したいが、それも自分が自立してからしか考えられない。

出産のタイムリミットだってあるし、仕事のんびりしていられないということ。

 

その気持ちはよくわかる。

 

どこかに応募しているのか聞いたら「マクドナルド」とのこと。

一瞬え?って思ったし、驚きも隠せなかった。こんなに優秀なのに。

彼女も「そうだよね。マクドナルドって思うよね。私もそう思っている」

「でも彼がフランスのマクドナルドはそんなに安価な仕事じゃない。っていうから

まず応募して見た。正直モチベーションレターすら書く気になれない。」

 

という話をしてモヤモヤ。

 

そのあと考えたのだけど、彼女と似たような環境でありながら、

私は「日本」というアドヴァンテージを持っている。

 

ハンガリーと比べたら、日本市場はとても大きい。

欧州に進出して高評価を得ている日本企業がいくつもある。

日本文化、日本人に対してのイメージもすこぶるいい。

 

つまり、日本語母国語、日本企業での勤続経験という

今まであまり感じたことのなかった、私の無形資産が

この国で生きるのに武器になっているということをはっきり認識。

おかげで私は仕事ももちろん数は多いわけではないが、フランス語の怪しい私ですら、

多少選ぶこともできている。

 

私も彼女も移民であることには変わりない。

でも仕事のチャンスという意味では大きな違いがある。

これは日本で認識することはなかっただろうな。